腎臓と手作りご飯@犬編~その1
生食を食べていると、血液検査で数値(ヘマクリット値・BUN)が高い傾向になると言われてます。実際、私が手作り生食をアドバイスしたワンコさんの飼い主さんから食事を変える前と後の血液検査の結果の情報をいただいたケースでのデータを検証してみると、7割ぐらいのワンコさんのBUN値が、生食移行前と移行後で若干高くなっています。
それらのワンコさん達の食事の移行の仕方と我が家の3頭のデータを検証していて面白いことがわかりました。(我が家ではフィラリアの検査と一緒に毎年血液検査をしてます)BUNの数値にほとんど変化がなかった3割のワンコ達(我が家の3頭含む)と、数値が高くなったワンコ達それぞれに共通点があったことです。
数値が変わらなかったグループ
それぞれの理由により(胃腸が弱い・好き嫌いが激しい・飼い主の事情など)ドライフードから完全な生食に移行するのにすごく時間がかかってる。
子犬を迎えた段階から飼い主が手作り生食を考えて実行している。
数値が高くなったグループ
ワンコが好き嫌いもなく胃腸も丈夫だった(笑)などの理由で、ドライから一気に生食に移行している。(ちなみに今回のデータのワンコ達は全員ドライフード歴8年以上です)
このことからも、ドライから生食に移行する場合はじっくり時間をかけることが大切なことがわかります。科学的なエビデンスをとるには例が少ないですが、それでも急激に移行するのには注意するべきだということは言えると思います。
次に、腎機能が低下しているときのタンパク質の摂取量についてですが...
腎機能低下した動物には食事のタンパク質量を制限すべきであるという説は昔からあります。そして、それとは逆に極端にタンパク質を制限する食事は動物の生命力を奪うという考えもあります。私は、どちらが正しいとかでなく、大事なのは個体にあったバランスだと考えています。
悲しいことに、人間の手によって作為的に繁殖を繰り返されてきた犬族の中には、生肉をまったく受け付けない個体もいますし、タンパク質過剰が体質にあわない個体もいます。中には飼い主がヴィーガンなので飼い犬も菜食ご飯で育てられていて、それでも健康な個体もいます(個人的には肉類のタンパク質摂取を0にすることには賛成しませんが)ですから、普段から愛犬の状態をよくチェックして彼らに一番あった食事配分を考えてあげることが大切です。
その2では、腎機能低下を血液検査で指摘されたワンコさんにアドバイスした時の内容をご紹介します。